2023.09.20
幼稚園のカリキュラム紹介! 子どもの成長をサポートする活動とは?
幼稚園の入園申し込みの時期となり、子どものために入園先を考え始めたおうちの方も多いのではないでしょうか。
幼児期はコミュニケーションや社会性を育むとても重要な時期です。
そのため幼稚園でどんなことを学ぶのか、子どもの成長をどのようにサポートしてくれるのかが気になりますよね。
実際、幼稚園では子どもの成長をサポートする豊富なカリキュラムが用意されています。
学べる内容は運動や食育、英語、音楽など多岐にわたります。
今回は幼稚園のカリキュラムや、幼児教育の目的について見ていきましょう。
【幼稚園のカリキュラムについて】
幼稚園のカリキュラムは、文部科学省が示す幼稚園教育要領に基づいて組まれています。
幼稚園教育要領には教育内容や方針について、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿などが詳しく書かれています。
1.幼児期の終わりまでに育っていてほしい姿
幼児期の終わりまでに育っていてほしい姿は、以下の10項目です。
- 健康な心と体
- 自立心
- 共同性
- 道徳性・規範意識の芽生え
- 社会生活との関わり
- 思考力の芽生え
- 自然との関わり・生命尊重
- 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
- 言葉による伝え合い
- 豊かな感性と表現
幼稚園のカリキュラムはこれらの項目を念頭におき、指導をおこなう際に考慮することが求められています。
岐阜県羽島市のMama’s International Kinderschool(ママーズインターナショナルキンダースクール)では、英語で五感保育を行う。植物を育てて成長過程を観察する。算数や社会の授業を取り入れたり、豊かな感性と表現を養うために音楽でグランドピアノに触れたり、美術を取り入れたりしています。
各幼稚園のホームページを確認すると、具体的にどのようなカリキュラムが組まれているのかを詳しく見ることができます。
2.幼稚園の目的
幼稚園の目的は、
- 義務教育とその後の教育の基礎を培うこと
- 幼児が健やかに成長するために適当な環境を与えること
- 幼児の心身の発達を助けること
この3つにあります。
ここから学習面、生活面の両方から子どもをサポートすることを目的としていることが分かります。
義務教育は全体を通して「知識および技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性など」の3つの力をバランスよく育むことを目標としており、幼稚園はその基礎の育成を目的としています。
しかし学習といっても学童期以降のように知識をたくさん身につけるのではありません。
幼児は遊びを通して考え、友人と協力し、体を動かすことで様々なことを学んでゆくのです。
具体的には以下のことができるようになるよう、教育をおこないます。
- 知識および技能の基礎
豊かな経験を通じて、感じたり、気づいたり、分かったりできるようになる。
- 思考力、判断力、表現力などの基礎
気づいたことやできるようになったことを使い、考えたり、工夫したり、表現したりする。
- 学びに向かう力、人間性など
心情、意欲、態度が育つ中で、より良い生活を営もうとする
このように幼稚園は義務教育の基礎と生活面の両方の育成をしながら、子どもの成長をサポートしていくことが目的とされているのです。
3.年齢ごとの目標
幼稚園では年齢ごとに教育目標を定めています。
3歳児、4歳児、5歳児の目標の例を見ていきましょう。
3歳児(年少)
親元を離れてはじめて集団生活を経験する年齢です。そのため集団生活に慣れて日常的な会話ができることと、洗顔や手洗いなどの基本的な生活習慣を身につけることが目標となります。
勉強の面では小さい数が数えられることや折り紙やはさみを使った工作ができること、色が理解できることが目標とされています。
4歳児(年中)
4歳は集団生活にも慣れ、できることが増えてきます。自分の名前や年齢を答えることができ、言葉で意思を表現できるようになるのが目標です。
勉強面では、できるようになったことを生かして3歳児より大きい数を数えたり難しい工作ができるようにします。
5歳児(年長)
幼児教育の仕上げの年齢です。できることを活かしてお手伝いをしたり、自分の意思を正しい文章で表現できることを目標とします。
勉強面では10までの簡単な計算ができ、文房具が問題なく使え、折り紙や図形の構成を推測できるようにします。
【幼稚園の種類】
幼稚園には大きく分けて「のびのび系」と「お勉強系」の2つの教育スタイルがあります。
幼稚園教育要領に教育の指針は定められていますが、どの項目をどのように伸ばすかは園によって様々です。
この章では、のびのび系とお勉強系の教育の違いについて見ていきましょう。
1.のびのび系幼稚園
のびのび系幼稚園では、遊びに使う時間を多く取り、子どもの自主性や創造性を育むことを重視しています。
自由度が高く子ども同士の交流も活発になるため、コミュニケーション能力やケンカをしたときの自己解決能力を培うことができます。
子どもたちが遊びの中で個性を伸ばし、感性を存分に磨くことができるのが特徴です。
幼稚園では子どもにたくさん遊んでほしい、と思うおうちの方はのびのび系幼稚園を検討すると良いでしょう。
2.お勉強系幼稚園
お勉強系幼稚園では、小学校の勉強の先取りなど知育を重視しています。
のびのび系幼稚園に比べて忙しいカリキュラムが組まれていますが、小学校入学後に勉強についていきやすいメリットがあります。
お勉強系幼稚園の中でも、遊びも充実している園もあれば机に向かって勉強をする園もあるため、入学前の情報収集が必須です。
子どもがひらがなや数字など勉強に興味を持っていたり、小学校入学受験を考えているおうちの方はお勉強系幼稚園を検討すると良いでしょう。
このように幼稚園は大きく「のびのび系」と「お勉強系」に分かれており、その中でも重視する項目によって異なったカリキュラムが組まれてます。
それぞれのカリキュラムによってメリットがあるため、子どもの性格や親の教育方針によって入園先を考えたいですね。
【幼稚園と保育園の違い】
幼稚園と保育園の違いは、目的と子どもの預かり時間にあります。
幼稚園は教育を主な目的としており、管轄は文部科学省です。園によって異なった教育方針が掲げられているため、それぞれが実践的な教育を施すのが特徴です。
年少から小学校入学前までの幼児が対象であり、1日4時間の教育をおこないます。
保育園は福利厚生を目的としており、管轄は厚生労働省です。おうちの方をサポートするために子どもを預かって、基本的な生活習慣の教育や指導をするのが特徴です。
こちらは0歳から小学校入学前までの乳児や幼児が対象であり、1日8時間の保育を基準としています。
しかし幼稚園は「幼稚園教育要項」、保育園は「保育所保育指針」で国によって同じ教育内容が定められています。
「健康・人間関係・環境・言葉・表現」の5つの項目が共通の内容となっているため、どちらを選んでも学力に差が出るわけではありません。
最近では幼稚園でも延長保育を取り入れていたり、教育に力を入れている保育園もあるため、差は少しずつ縮まっている傾向にあります。
幼稚園か、保育園かだけで判断せず、園の方針や教育内容の情報収集をして入園先を選ぶことが重要です。
いかがだったでしょうか。
今回は幼稚園のカリキュラムや、幼児教育の目的についてご紹介しました。
子どもの性格や家庭の指導方針、園の教育方針を考えた上で後悔しない入園先を選びたいですね。
皆さまのお子様の健やかな成長を願っています。